「これからお話しする見解は私個人の見解でございまして、所属する組織の見解ではございません。組織の見解よりは個人の見解のほうができがいいんですけど。笑」中野剛志



いやーびっくりしましたねー。これはすごいことではないでしょうか。
財務省から道を挟んだ真正面に鎮座まします本当のエリートの集まりの「経産省」が、
あのグローバリズムの権化である経産省が、反緊縮・反構造改革を政府に提言し、イノベーション原点回帰のために、日本の産業を守るために、積極財政を訴えました。
経産省といえば、CSISやウォール街や経団連のための組織とみなされてきて、財務省に次いで、売国省庁と言われてきましたが、大きなレジームチェンジがなされたようです。
いや、おそらく誰かが、官僚が持つ、「この国の産業をなんとか保護したい」という正義感や本来官僚が持つ国家を正しい方向に主導するエリートとしての意識の「やる気スイッチ」を押した人がいるんですね。さあ、それは誰でしょうか・・・・どうやったらみんな目から鱗が落ちたのでしょうか・・・

あ、梶山ではないですよ。
バカな自民党の世襲議員ですからね。GOTOなどで国民から馬鹿認定されてましたからね。
さて、その財務省への宣戦布告ともいえる発表ですが、中身を見てみましょう。

[東京 4日 ロイター] - 経済産業相の諮問機関である産業構造審議会は4日、中長期的な産業政策の在り方を議論した。デジタル・グリーン(環境技術)などの成長分野で米国や中国が政府主導の大規模支援策を打ち出しているのを背景に、低金利・低インフレ環境を活用し、大規模で計画的な財政出動を伴う産業政策の必要性などが指摘された。半導体など競争力維持に巨額投資が不可欠なジャンルの支援が念頭にある。

<従来支援は「小規模、単発的」>
産業構造審議会では冒頭、経産省の多田明弘官房長が、米中などが政府の産業支援を拡大する環境では「産業政策もこれまでと異なる新機軸が求められる」と指摘、民間企業が負えないリスクを政府が負う必要性を強調した。


それでもこの馬鹿な国務大臣や、産業構造審議会総会の半分はグローバリストやお抱え御用学者が混じっているのにも関わらず、積極財政に対して反論すら出なかったのは、そこでファシリテータとして、設計者として、政策提言者として、絶対的なマクロ経済に対する哲学を持った誰かが、会議を仕切っていたはずなんですね。
https://www.meti.go.jp/shingikai/sankoshin/sokai/pdf/028_00_02.pdf

よくですね、大手の会社に要件定義や設計レビューにいくと、中身を理解してないのが見透かされて文句ばっかり言われる人と、一目置かれて誰も反論できない人がいます。
おそらくはそういった緊張感のある場だったのではないでしょうか。
この人は官僚の外から正しいことを発信して、多くの著作やMMTを日本に紹介して、全てのレジームを変えまくってきた人です。三橋氏やこの人がいなかったらここまで反緊縮運動は盛り上がらなかったとも言えますし、組織の中で相手を尊重して根回しができて、かつ説得力と実装能力に長けた人物です。

https://www.meti.go.jp/shingikai/sankoshin/sokai/028.html
https://www.meti.go.jp/shingikai/sankoshin/sokai/pdf/028_02_00.pdf

さて、このプレゼン資料を見てわかる通り、誰が書いたのかは一発でわかるでしょう。
 コロナ禍など不確実性の高まり、先進国経済の長期停滞、デジタル技術を中心とした革
新的な技術の進展、地政学/地経学リスクなど、世界は、大きく変化。
 こうした中、中国のみならず、欧米においても、国民の生活と安全を確保すべく、大規模
財政支出を伴う強力な産業政策を展開。特に、かつては「産業政策」を強く批判して
いた米国も、大きく転換。アカデミアにおいても、新たな産業政策論が急速に台頭。


そうですね。名前は書いていませんが、中野剛志さんです。

RIETI中野剛志

もう断定します。「不確実性」「経済+地政学」。これ昨年彼らのプロジェクトが発表した「ものづくり白書」の言葉ですね。
三橋さんは本日のブログで名前は伏せていますが、はい、中野剛志マニアなので私は分かっております。日本中の人が見るべき一冊である「富国と強兵―地政経済学序説」を読んでますので。




一昨年、中野剛志はどこに行ったんだーなんて探していたところ、着々と経済界ではなく産業界の意識改革を行なっていたようです。
この動画をどうブログで紹介しようか昨年迷ってました。
内容としては、日本の産業モデルや、国際競争力についての調査分析結果としての指針の発表資料です。

これを凝視しているのは、ハゲタカファンドや経団連のストックオプションばかりを気にしている、頭の悪い博打ビジネスマンではなくて、
「ものづくり白書」という名の通り、付加価値を生産する産業のスペシャリストや、ちゃんとサービスや物を作っている産業界のリーダーたちです。本当のビジネス向けの指針ですね。

繰り返しますが対象は、
「President」というなんの役にも立たない雑誌に出てくる変な横文字ばかり使って意味のない情報をマーケティング株価投資トレンド的に掴むクダラナイ政商ではなく(書いていて気持ちが悪い)

中野剛志さんたちがやっているのは、設計・製造の新しい技術指針やら、ビジネス戦略を立てるような、「日経ものづくり」「日経アーキテクチャ」を見る、めちゃくちゃ頭を使うような世界に誇れる人たち向けです。


企業変革力(ダイナミック・ケイパビリティ)
つまり不確実性のような想定外の自体において、プラグマティズムに対応していく準備を唱えたわけですが、まさにその解は中野剛志さんが口癖のように伝道している「プラグマティズム」なんですね。
「プラグマティズム」とは、ギリシア語で「行動」や「実践」を意味する「プラグマ」に由来して生まれた言葉で、物事の真理を「理論や信念からはなく、行動の結果によって判断しよう」という思想です。日本語では、「実用主義」「実際主義」「行為主義」などと訳されています。
世の中は合理的な宗教的な判断により対立を生み、困難を乗り切れない状況が起きています。
主流派経済学や、財務省の緊縮思考などは、まさに典型ですね。

彼が経産省の官僚として、政府の中枢で、正しい公共政策と産業戦略を提言して、内部から戦う覚悟をしたわけですが、それは決意書ともとれた「日本経済学新論 ──渋沢栄一から下村治まで (ちくま新書)」で確認することができます。
渋沢栄一・高橋是清・下村治(三木や金井延など)の官僚だった人の経済政策やら産業政策を題材にして、いかに日本を公共政策から救ってきたかを振り返っています。
私はあと少しで読み終わりそうなのですが、経済・そして政治に関わっていこうとする人間には絶対に読んでいただきたい一冊かと思います。ましてやこれから官僚を目指す人もです。

インターネットメディアでデータに基づく正当なレトリックで世論を正しく変えている三橋貴明。
恐ろしいほど戦略的に、そのあとの議論を策略家として、波紋を呼ぶ言論を繰り返し、中身をみれば過去の偉人の偉業をこの世にわかりやすく伝える中野剛志。



この二人の功績というのは、すざましいものがあるなーと。
今日のびっくりするニュースを見て思った次第でございます。

みなさんにおかれましては、中野剛志が潰されないように、応援をお願いします。
ということを切に願うばかりですねー。我々国民のために。日本のために。

といっても本人は飄々として「冗談は吉田松陰」「馬鹿すぎ晋作」などというギャグを、上司や後輩に言っているのだと思います。はい。


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富国と強兵―地政経済学序説
中野 剛志
東洋経済新報社
2016-12-09